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2007-12-05
書き方だけじゃなくて
最近、3、4回このブログで文章を書いたけれど、文体が固いというか、非人称的というか、とにかく知識を書いている風で、自分でいやになってしまった。こういうとき、ああ、まだ得たものが経験の大きな胃袋のなかで消化されず、血肉となって出てこない。自分のどもりがちなしゃべり言葉とははなはだ距離があると感じる。それは、ただの今日得た知識の即売会か?確か保苅実さんの「ラディカル・オーラル・ヒストリー—オーストラリア先住民アボリジニの歴史実践」の末尾の方に、「文章を書くということは、舞台の上で演技して、観客を喜ばせたり泣かせたりすることだ」という言葉があったと思うけれど、とても素敵な言葉だ。この本を読まなければ、今ここで文化人類学を勉強しようとは思わなかったと思う。書物の中に、オーストラリアの大地が広がりその上を風が吹いている、そして彼とアボリジニの人たちの生きた時間が流れている。書くことの限界を知り、それに冷笑的なることなく再び無数の歴史について向き合う姿が、今の僕が気がつかないものをはっと気がつかせてくれるのだ。
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